Duron 1.8G (Applebred)のデュアル化

Duron 静音冷却

Duronのコア「Applebred」

Duron

Duronは、Morganコアを最後に終焉を迎えたと思われていました。しかし、突然Applebredという新コアでしかも1.4Gというものが現れたのです。

いかにもThoroughbred

このApplebredコア、そもそもなぜ突然現れたのでしょうか。名前はリンゴのAppleから来ているようですが、その後に続く「bred」という言葉に見覚えがあります。Applebredコアが出る前に、AthlonXPのコアとして出ていたThoroubredです。

実はこのThoroughbredとApplebred、語尾4文字が同じだけではないのです。まったく同じもののようなのです。名前だけでなく、コアの部分のつくりやCPUまでそっくりです。違うところといったらブリッジと印刷にDuronとあることぐらいでしょう。

Thoroughbredとして動作

コアがまったく同じということは、ブリッジをいじって二次キャッシュを64KBから256kBにさえすればThoroughbredとして動作させることができる可能性があります。もしも、うまくいけばかなりお得です。

実際に2つのCPUで試したところ、片方はあっさり「AthlonXP」の文字がでました。どうやらコアはThoroughbredと同じものだったようです。片方は、接続が悪かったのか64KBのままでした。

AMDは、AthlonXPとして動かすには少々不安があるものを64KBにキャッシュを下げてDuronとして販売しているようです。運がよければ256KBになるかもという程度に考えてください。たとえ動いたとしても負荷をかけると落ちてしまう可能性も十分にあります。それでもこのDuronはなかなかコストパフォーマンスが高いと思います。

デュアル化に挑戦

Duron

ApplebredコアがThoroughbredコアの出来損ない(?)だとわかったので今度はこれをデュアル動作させます。L2キャッシュを256KBにして(俗にいうXP化)、さらにデュアルにすればMP化ができるのですが、片方が64KBのままなのでMP化ではなくてデュアル化にとどまりました。

ThoroughbredはAthlonMP

ThoroughbredコアはAthlonXPに使われているというのは前述しましたが、AthlonMPにもほぼ同じコアが使われています。AthlonXPとAthlonMPはほとんど同じコアだと考えていいと思います。(自分では勝手にできのいいコアがMPに行くとか思ってます)

ですから、XPからMPに変身させることも可能なんです。つまり、Duronのデュアル化はDuron Applebred → AthlonXP Thoroughbred → AthlonMP Thoroughbred(ただしXP化成功時)という手順を踏んでいきます。XP化できなくてもキャッシュが少ないだけであって、デュアルにすることは可能です。

ブリッジ加工

デュアル化するポイントは、ブリッジ加工にあります。ブリッジというのは、CPU上のジャンパのようなものでここのオープン/クローズ(切断/接続)でマザーボードはCPUの種類や周波数、コア電圧などの情報を得ます。ですから、ブリッジを目的の設定に変更してやればマザーボードにApplebredをThoroughbredと認識させることができます。

加工は、カットされている部分を接続するのと接続されている部分をカッターなどで切断する方法があります。カットは多少難易度が高く、また失敗時のリスクも高いためクローズをメインに行います。

旧パッケージ(イメージ1)は金色の結線がパッケージ上にそのままむき出しだったのでハンダ付けやシャープペンでのクローズさえできましたが、Applebred(イメージ2)は配線がすけたようなパッケージ(刺青と言われる)で表面にブリッジが出ておらず(イメージ3)結線がやや難しいです。

ブリッジ

結線にはコンダクティブペンを利用します。インクは通電性の物質でできています。Applebredのブリッジはおおよそイメージ4のようになっていて、ブリッジの片方はグランドにつながっていて、レーザーカットによる溝で外部に出た下の層もグラウンドにつながっているのでそのままここにコンダクティブペンを盛り込めばブリッジ加工が完了します。ブリッジは「L5」の一番右(イメージ5の白丸)をクローズするだけでデュアルとして動作するようになります。コンダクティブペンを塗るときは周りをテープなどで覆っておくときれいに仕上がります。このとき、インクが乾く前にテープをはずしたほうが塗った部分がはがれないのでいいでしょう。

ちなみに、XP化は右にある「L2」をすべてクローズする、つまりApplebredでは一番右をクローズすれば256KBとして認識させることができます。256KBにするとPCが不安定になることがあります。そうでないときも、負荷がかかると不安定になることがあるのでベンチマークを行ってください。コア電圧を上げて、冷却を強化すれば256KBでいけるかもしれません。

動作確認

BIOS

ブリッジ加工がすんだら、そのままPCの電源を投入します。無事にデュアル化していれば、BIOS起動画面上で写真のように表示されます。

私のマザーボード、TigerMPではなぜかAthlonとして認識していました。これは加工前でも同様でした。BIOSアップデートしたのにこうなりました。元々、マザーボードがマルチプロセッサ対応CPUなのでこうなったのでしょう。(Duron850MHzのデュアル時にはきちんと表示されていました。)

WindowsXPのシステム上で確認したところ、こちらでもAthlonと表示されていました。WCPUIDでも同様にAthlonと表示されました。しかし、CrystalCPUIDではきちんとDuronと表示されました。

一個当たり5000円程度ですから、二つで1万円です。AthlonMPならまずここまでの性能のCPUは購入できません。クロックアップも行いうまくいけば、AthlonMPと同等の性能を出そうとするとき半額くらいの出費になるかもしれません。(若干高めですが、楽天でここにありました。)

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