水草水槽の照明

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[戻る] upload 2003/12/01
update 2003/12/01

水槽の照明の意義

照明 Tetraの1灯式です。光量は少なめでした。

照明は水槽では欠かせないアイテムのひとつです。ではどうしてかかせないのでしょうか。その理由は使い方によって変わってきます。

熱帯魚を中心に飼うのか、どんな色の熱帯魚なのか、水草を栽培したいのか、海水を使うのかといった理由から個人の好みまで様々です。

きれいに見せる

ふつう、照明に大事なことはいかにきれいに見せられるかだと思います。これは、水槽にも当てはまることです。水槽が暗かったり、変な色であってはせっかくの魚や水草たちが台無しですから。

きれいに水槽を見せるためには光量と適当な色が必要になります。光量は明るい照明やたくさんの照明をつけることで増やすことができます。

色は自分の好みや水槽を引き立たせる色にすればいいわけです。赤系の魚や水草には赤系の照明を使えばいいのです。水草は大体緑色をしているので緑を含んだ照明を使います。

水草を育てる

水草 ナナとバコパです。奥はアマゾンチドメグサです。

水草は植物ですから当然光合成を行います。この光合成にはある程度の光を必要とします。

実は、見た目が明るければ植物がよく育つというわけではありません。これは太陽光と人工光の性質が違うためです。そのため、水草をうまく育てるには照明選びが大切になります。

光の性質による比較

ここでは光のあらゆる科学的性質から水槽に合った照明を検証します。数値としてデータが入手できるので思案する際には知っておくと重宝します。

光束 [lm(ルーメン)]

光源から照射される光の総量です。これが多ければ多いほど光量が多いということになります。

全く同じ性質のランプであれば、値が大きいほど明るく、水草の成長を促します。

ランプの仕様では、「全光束」と表示されます。

ランプ効率 [lm/W]

ランプの全光束を消費電力で割った値です。安定器などを使用する照明の場合その消費電力も合わせて算出されます。

同じエネルギーからどれだけの光を出せるかということなので、この値が高い方が省エネのランプということになります。たくさんの照明を使用するとどうしても電気代が高くつくので重要なポイントです。

エネルギー効率が高いということは、光の量に対して発熱が少なく、水温上昇を和らげることにもなります。

低圧ナトリウムランプがもっとも高効率で、ついでメタハラ、蛍光灯、水銀灯、ハロゲンランプ、シリカ電球となります。

色温度 [K(ケルビン)]

光源の発する光の色を表します。赤っぽいほどこの値が小さく、青っぽいほど値が大きくなります。

4500Kあたりが自然な色で、6000K程度だと涼しい感じ、それ以上だと青みがかって見えます。

水草の栽培にはあまり関係ありません。個人の好みで決めてください。個人的には6000Kあたりがおすすめです。

蛍光灯は多数の色温度の製品が販売されているのが特徴です。

平均演色評価数 [Ra]

光源により照射された物体の見え具合、つまり演色性です。100が本来の色で、この値より小さくなると実際の色と見え方が違っていることになります。

演色性は、光のスペクトルの分布が満遍なくいきわたっている照明が優れているので、演色性が高いほど水草の必要とする波長の光を含んでいる可能性が高いです。

太陽光がRa100で白熱電球などもRa100です。蛍光灯は通常の照明としても使用されるためか、演色性が高いものが多いです。色評価用などの高演色系はRa99程度です。メタハラもそこそこです。水銀灯は最悪です。

波長 [nm(ナノメートル)]

波の一振動分の長さです。紫外線や青い光は波長が短く、赤外線や赤い光は波長が長いです。

水草の成長に必要な光の波長は、第一ピーク430nm、第二ピーク680nm、第三ピーク490nmといわれています。

一般家庭で使用される三波長系蛍光灯は550nm、610nm、440nmあたりにピークを持っているのでどうしても赤系の680nmあたりの波長の光が不足しがちです。

分光分布(スペクトル分布)

光の波長とエネルギーの比率をグラフで表します。

この分布を見ればどの光が欠けているのが判断することができます。太陽光や白熱電球は分布がきれいです。

一方、三波長系蛍光灯や水銀灯は偏りが見られます。メタハラはそれらに比べ滑らかな分布を示します。

定格寿命 [h(時間)]

どれだけ安定して発光し続けるかの平均的な寿命です。長寿命であればそれだけ球を交換する間隔が長くなるので手間も省けますし、経済的です。

メタハラが一番長寿命で、蛍光灯も長いです。白熱電球がもっとも短いです。

照明の種類による比較

一般に普及している照明やアクアリウムに使われている照明についてまとめました。購入の際などに参考にしてください。

蛍光灯

低圧の水銀蒸気の放電により発生する紫外線を可視光線に変換することで発光します。

拡散光のため、水槽の水面になるべく近づけなければなりません。

様々な色温度の製品があるので好みに合わせて選べます。

演色性に富んでいて、通常の三波長系ならばRa80以上、色評価用の高演色系ならばRa99あります。

三波長系は、赤系のスペクトルが少ないので水草育成には多少力不足ですが、観賞目的、光量確保としては使えます。高演色系のものは、演色性が高いため、赤系のスペクトルを三波長系よりも含んでいると考えられます。複数本使う際は、植物育成用ランプを混ぜて使用するといいでしょう。

ランプ効率はインバーター式のタイプが高効率で磁気式を含めても50〜90lm/Wなので電気代がお得です。交換球は直管型であれば350円程度、電球型のものであれば1000円前後しますがともに定格寿命が6000〜8000時間と長寿命なので経済的です。

初心者にも簡単に導入できるうえに、選択肢も多いのでおすすめです。アクアリウム用の製品も多数販売されています。

メタハラ

正式名称はメタルハライドランプです。HIDという種類の照明に属しています。高圧の金属蒸気中で放電することで発光します。点灯、再点灯に時間がかかります。

点光源で大出力なので、無脊椎の育成やオープンアクアリウムに使用されています。

色温度はざまざまあり、高演色のものなどタイプがいくつかあります。

演色性は蛍光灯よりややおとり、Ra60〜90です。

蛍光灯の三波長系とは違い、光の分布が比較的まばらです。アクアリウム用に赤系や青系などを強めた球もあります。

ランプ効率は蛍光灯よりも優れていて70〜100lm/W、さらに定格寿命も6000〜9000時間と長いです。しかし、特別な専用の安定器が必要になり、交換球が高いのでコストがかかります。

オープンアクアリウムや無脊椎を飼育する人ややや上級者向けになります。一度は使ってみたい照明です。

水銀灯

メタハラ同様、HIDという種類の照明で、発光の形式も同じです。水銀の高圧蒸気を使用しています。

蛍光灯に比べ、大出力のものがあります。演色性は非常に悪いです。

光量確保はできても、水草を育成することは不可能と思われます。

メタハラよりも安価な安定器を使用することができます。

高効率で定格寿命が12000時間もあるので、街灯などに使用されています。

ハロゲンランプ

白熱電球のひとつで、シリカ電球を改良したものです。ビームライト用に使われることが多く、指向性が高い製品が多いです。

色温度はあまり高くありません。観賞用には向いていないと思われます。

演色性が非常によく、ほぼRa100です。水草を成長させることだけを考えれば理想的な分光分布です。

赤外線を多く含んでいるため水温上昇を促しますが、ダイクロイックミラーという赤外線を反射するようなタイプであれば水温上昇を防げます。

蛍光灯の1/3程度のランプ効率しかありません。交換球はメタハラほど高くありませんし、特別な器具も必要ありません。寿命はシリカ電球より長いですが2000〜3000時間です。

補助としては使えないこともなさそうですが、あまりおすすめではありません。

シリカ電球

フィラメントが高温になることで発光します。もっとも古い電気を使う照明です。

演色性は一番いいですが、ランプ効率がとにかくわるく、寿命も短いです。色温度も低いものしかなくアクアリウム用として使うには無理があります。